夜、チャイナタウンの隅にやたらと繁盛している食堂がある。店内の他にお店の外、周囲のあちこちにテーブルと椅子を出していて、さらに待っている人たちで人だかりになっている。何のお店かと思いきや、蘭州牛肉麺のお店だった。なるほど、豚肉天国のチャイナタウンにおいて、ムスリムが思いきり中華料理を楽しめるお店というわけだ。それにしてもずいぶんな人気だ。私も蘭州牛肉麺は好きだけど、わざわざクアラルンプールで食べようとは思わなかった。
ところが、何となく餃子が食べたいなと思ったときに、蘭州牛肉麺のお店に餃子があるのを思い出した。店頭の調理場でたくさん作っているのを見た。牛肉や羊肉の餃子が食べられるみたいだった。昼間ならそんなに混んではいないだろうと思って覗いてみると、相変わらず店内はいっぱいで、店頭とさらに数軒離れたまだシャッターの下りているよそのお店の前にもテーブルと椅子が出ている。外のどこかに座ってテーブルに貼ってあるQRコードをスキャンしてそこから注文するようにと言われた。QRコードをスキャンすると注文ページが立ち上がる。
水牛のモモや牛肉の餃子は風味が肉々しくていい。ワイルドな味がする。普段餃子はもっぱら豚肉で食べているから、余計にその野生味が感じられるのだと思う。ここの蒸し餃子もおいしかった。盛られた餃子を一人で全部頬張る幸せ。都会の空気と肉の旨みは食い合わせがいい。出てきてから平らげるまですぐだった。今度は牛肉麵も食べてみようと思う。
牛肉の蒸し餃子 16リンギット（約490円）
