私はクンパオチキンというものを知らなかった。つい先日、テロックインタンで初めて食べた。それは鶏ではなくてシャコを使ったもので、宮保虾姑肉というのだと教えてもらった。そのときにあれこれ調べて、宮保鶏丁という有名な四川料理があることや、日本ではクンパオチキンとして広く知られていることを知った。私は中華料理は好きだけど、自分がいた頃の日本やそれ以降の東南アジアで見ないものはあまりよく知らない。しかし、いざ知ってみると、この宮保鶏丁という名前はマレーシアではわりとあちこちで目にする。公保と書くのもたまに見る。福建華人のお店でも広東華人のお店でも食べたことがある。中国では全国的に食べられているというから、華南には華南式の宮保鶏丁があったりするのだろうか。
夕暮れ時に通りかかったところたまたま宮保鶏丁の文字が目に入り、食べてみたくなった。ここは安食堂ではなく料理屋といった感じの老舗食堂だ。注文して座って待っていると、すぐに私の知っている宮保鶏丁のイメージと少しも違わないものが出てきた。大きめの乾燥唐辛子と濃いめの味付けで鶏肉がたまねぎと一緒に炒めてある。ナッツ類は入らない。花椒も使っていないと思う。ごはんによく合う間違いのない感じにタイのガパオ炒めと似た安心感を感じる。香ばしくてこってりとした風味と共にするすると完食してしまった。
宮保鶏丁ごはん 15リンギット(約460円)
新九如海鮮飯店 Restoran Kiew Yee Baru
10:30~21:00 水曜定休
2023年6月某日17時半頃に訪問