もの食う犬
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MRTピンクラインの仮開業に伴い、沿線の食堂をまとめたタグを作りました。(2023/11/25)

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プロフィール

東南アジア~南アジアの食堂を食べ歩いています。特にアジア各地の中華系のごはんが好きです。よく出没する国は、タイ、マレーシア、インド。亜細亜麺通記の人。犬の写真を撮るのが少し得意です。東南アジア在住。

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ข้าวแกงเมืองลุง

ヤラーとベートンのあいだは大半が山道で、特にちょうど中間あたりにある湖のあたりは激しいカーブが連続する。私は車に酔いやすいから酔い止め薬に頼るのだけど、それでもベートンに着いたときは毎度具合はあまりよくない。体調がよくないときや疲れているときにはなぜか辛いものや酸っぱいものが食べたくなる。そんなときにまず浮かぶのは南部式のゲーンソムだ。

ゲーンソムという料理は2つある。中部などで広く食されているオレンジ色のゲーンソムと南部の黄色いゲーンソムだ。これらはまったく別の料理で、南部のゲーンソムは決して中部のゲーンソムのバリエーションではない。南部のゲーンソムは中部のゲーンソムとは関係がなく南部で生まれた料理で、南部方言では酸っぱい味のするものにソムを付けて呼ぶことがあり、それでそういう名前になったのだそう。たとえば、マナーオ(ライム)をソムナーオ、マカーム(タマリンド)をソムカームなどと呼んだりするらしい。だけど、南部のゲーンソムがバンコクなど中部で知られるようになったときに中部にはすでにゲーンソムという名前の別の料理があったから、南部のゲーンソムは中部ではゲーンルアンと呼ばれるようになった。ソム(ส้ม)というのはオレンジ色のことで、ルアン(เหลือง)というのは黄色のこと。だけど、ソムには酸っぱいという意味もあり、前述の通りで、南部のゲーンソムのソムは色のことではなくて味のこと。タマリンド由来の爽やかでパンチのある酸味があり、そしてかなり辛い。口の中が穏やかでなくなるタイプの料理だ。ゲーンソムはタイ国内においてはもっとも知られた南部料理の一つで、バンコクでも食べられる。

南部料理は作りおきのおかずが並ぶような食堂で提供されることが多い。その手の食堂にはゲーンソムはたいがいある。私はずらりと並ぶおかずを目指して歩き始めた。ゲーンソムを出す食堂はすぐに見つかった。ここはそういう食堂と注文を受けてその場で調理する食堂の2軒が並んだ店構えになっている。

ゲーンソムにもいろいろあるけど、この日のゲーンソムはプラーニンという川魚(ティラピアの一種)とパパイヤのゲーンソムだった。私は魚とパパイヤのゲーンソムが一番好きなのでうれしくなってしまった。ゲーンソムに入っているパパイヤは未熟の青パパイヤを煮たもの。大根だと言われても信じてしまいそうな感じで、スープが沁みていて大変においしい。

それから、厨房に立つおじさんにささげの炒めものも注文した。トゥアジアン(ถั่วเจี๋ยน)と呼ばれるベートン特有の若干大ぶりなささげを炒めた料理だ。トゥアというのは豆のことだけど、ジアンというのは中国語の「豇」のことで、ささげのことをそう書くのだそう。ベートンの名物料理の一つであちこちで食べられるけど、お店によって味付けなど結構違う。普通はささげだけを炒めるから、今回は肉が入っていてびっくりした。どちらもとてもおいしかった。

ゲーンソム 60バーツ(約240円)、ささげの炒めもの 60バーツ(約240円)

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