新儒記で朝ごはんを食べようと思い市場へ向かう。今回はいつもの汁なしあんかけではなくて汁ありのスープ麺を食べようと思った。濃厚なビーフ出汁で一日を始めたい。日が出てまだそんなに経っていないというのに市場の2階はとっくに賑わっていた。朝からしっかり食べる南洋華人の力強さを初めて感じたのは15年前のコタバルでのこと。早朝にまだ暗い街を外れのほうへ歩いていくと、向こうのほうに煌々と光る一軒のフードコートが見えた。イスラム色の強いコタバルにも華人のフードコートがある。中へ入ると、そこにはチャーハンや焼きそば、肉まんなどをガツガツと頬張る華人のおじさんたちがたくさんいた。よく食べてよく働く。彼らの食文化が発達しているのは、やっぱり食べることを大切にしているからなのだろうなと思う。混雑の中をすり抜けるように奥の新儒記へ向かい、汁ありの牛腩粉を注文して適当なところに腰掛ける。注文の品はすぐに出てきた。澄んだスープの風味が澄んでいるのに濃厚だ。ビーフの煮込みは一切れが大きめで、肉もモツもやわらかく旨味がぎっしり詰まっている。一切れ食べると一切れ減る。そんな当たり前のことが惜しく感じられる。自然とごはんが欲しくなった。ここには麺なしの牛腩スープもあるのだけど、そういえば食べたことがない。今度はそのスープとごはんを食べてみたい。
牛腩粉(湯) 9リンギット(約280円)
新儒記 Seremban Beef Noodle(Pasar Besar Seremban)
7:00~14:00 火曜定休