ヤワラー通りから入った車も通れないような小径の中に一軒の古めかしい食堂がある。海南華人の食堂で、お馴染みのカオマンガイや海南式のタイスキをはじめ、海南系の食堂で扱っていがちなメニューがいろいろある。ここのゴイシーミーは平麺の中華麺を使っている。茹で麺ではなく一度蒸し上げてから湯がいたものを中華鍋で炒っているのだとか。麺が太いとなんだか日本の中華屋さんにもこんなラーメンがありそうだなと思えてくる。添えられたジックチョー（จิ๊กโฉ่ว、潮州語の「浙醋」、酢醤油の一種）を少しずつ足しながら食べるといいアクセントになる。足元をうろちょろする猫にちょっかいを出しながら、気付くと食べ終えていた。おいしい料理を食べているときには「いつの間にか食べ終わっている」という不思議な感覚に陥ることがある。あれ、もうおしまいだ、と、自分で平らげたくせに他人事のように思う。近いうちにまた食べに行こう。
ゴイシーミー 60バーツ（約250円）
