ずいぶんひさしぶりに南インド料理を食べた。私はやっぱり南インド料理が好きだ。私が最初にインドの文化に触れたのはマレーシアでのことだった。マレーシアは人口の1割ほどが南インドにルーツがあるタミル人で、南インドのごはんがローカルフードとして気軽に食べられる。私は若い頃にバックパックを背負ってインドの北のほうを旅するような定番のコースを辿っていないし、初めてインドへ行ったのもわりと遅く30代になってからだった。バラナシでもデリーでもなく南インドのチェンナイへ行った。それまではインド料理はマレーシアで食べるものだった。インドのいろんな地方の料理を食べてもそれはインド料理でしかないのだけど、南インド料理に限っては「そう、これこれ!」と体に染み込んだ何かに反応するかのような感じがある。私にとって南インド料理は「マレー半島にてよく知っているあの味」なのだと思う。それを再確認した。いろいろなカレーやおかずが並ぶミールスはどんな顔ぶれが登場するかいつも楽しみだ。一つ一つゆっくりと味わう。芳醇な香りが鼻に抜ける。ごはんがおいしい。ひさしぶりに南インド料理のおいしさと楽しさに触れて、南インド熱が上がってしまいそうだ。
ベジミールス 9.9リンギット(約310円)
Sri Ananda Bahwan
7:00~23:00(ミールスは11:00から)
2023年12月某日11時半頃に訪問