ヤワラーにタイスキを出す老舗があると聞いて調べてみたら、ポークチョップやゴイシーミーもある。海南系なのだろうか。海南系にもゴイシーミーにも目がない私はしばらくこの食堂へ行ってみたいと思っていたのだけど、なかなか叶わなかった。ようやく行けたそのお店は、聞いていた通りでおばさんがひとりでやっていた。ひとりでは大変なのか閉業の話も出ていると聞いたけど、こういう食堂にはなくなってほしくない。食べる前からそんなことを考える。おばさんは一見愛想がなくぶっきらぼうで、いかにも生粋の華人といった感じがした。タイ華人の多くはすっかりタイ化しているから、こういう中国人っぽさはほとんどない。中華街ヤワラーならではの雰囲気を感じる。しばらくして、ビーフンかと思うような極細の中華麺を焼き付けたものに細切りにした鶏肉とたけのこの餡がかかった正統的なゴイシーミーが出てきた。一目見て気持ちが昂ぶる。ゴイシーミーの麺はお店によっていろいろあるけど、茹でた麺を中華鍋で焼き付けて少しパリパリさせたものを使うのが王道だと思う。噛み締めると中華麺ならではの風味が広がる。この感じは米麺にはない。パリパリとした部分が香ばしくてたまらない。ふうふういいながら夢中で食べる。終盤には酢醤油をかけて味の変化を楽しむ。今までいろいろなところでゴイシーミーを食べてきたけど、ここのは私の好みにぴったりだった。素敵な食堂とおいしい料理に出会えて幸せな気持ちになった。会計をするときに思わず最高のゴイシーミーだったと伝えると、無愛想なおばさんがうれしそうな笑顔を見せてくれた。
ゴイシーミー 100バーツ(約410円)
來興餐室 ไล่เฮงโภชนา
ライヘンポーチャナー
13:00~21:00 定休日なし
2023年7月某日15時半頃に訪問